私の好きなアーサー・コリンズ氏の言葉


Message from Arthur Collins

コリンズ関連の本を読んでいて、Collins社の創始者であるアーサー・コリンズ氏(W9CXX)の言葉で私の心をとらえたフレーズで、とても気に入っているのが私のホームページのトップを飾っているこの文章です。含蓄のある言葉だと思いますが、いかがでしょうか?

しかし、後日ほかの記事から、このアーサー・コリンズ氏の言葉はなんと16歳の時のものであることが分かり、さらにびっくりしました。そこでこの言葉が出た時の様子を簡単に、ご紹介したいと思います。
JG1XLV Juncihi Arai       2002/05/04



The real thrill in amateur work comes not from talking to stations in distant lands,not from receiving mulititudes of QSL cards from all the world,although there are things to stir your imaginations,but from knowing that by careful and painstaking work and dilligent and systematic study you have been able to accomplish some feat or establish some fact that is a new step toward more perfect communications .



高校生だったアーサー・コリンズはラジオに夢中で自宅(アイオワ州セダーラピッズ)の2階シャックで無線機を作ったり、交信していたそうです。そんな時、海軍のグリーンランド探検が実施され、ハムの通信も行われました。海軍本部がこのグリーンランド探検隊と交信出来なかったのに、当時高校生であったアーサー・コリンズが自作無線機で交信に成功したのでした。


この時探検隊からの電信による海軍本部宛のメッセージを受け取ったアーサー・コリンズ少年は2マイル先のウエスタン・ユニオン局に電報を打つため自転車で急いだのでした。

この功績が認められ”Radio Age"という雑誌に記事を書くことになったのです。それが1926年の5月。当時アーサー・コリンズは16歳の高校生でした。記事の中に出てくるのが、冒頭の英文の文章なのです。



                                            

この写真はRCA2002A真空管を使った送信機。
多分このような送信機でグリーンランドとのQSOに成功したものと思います。



アマチュア無線での真の感動とうのは、遠く離れたところの局と交信するとか、世界各地からQSLカードを受け取るようなことではなくて、---もちろんこれらは皆さんの想像力をかき立てることなんですけれども---

注意深く、丹念な組織的研究によって得られるものだと思います。そして、そのような研究によって、より完全な通信に向けての新しいステップとなる事実を作りあげ、確立することができるんだと思います。




 
アーサー・コリンズ (当時16歳。1926年5月号の雑誌"Radio Age"から抜粋)

訳: JG1XLV 荒井淳一