HP 410C


1960年代に製造開始されたHP410C 。今なおYahooにて高額で取引されるほどの高性能の現役VTVM。
今回、私もAuctionで手に入れました。
”電源は入るけれども、動作はしない”というもの。
コリンズのメンテナンスの途中で、測定器のメンテナンスとなった次第。順次、紹介していきます。

HP 410C

分解・洗浄・組立

ケースを外して、内部に異常がないかを確認。
特におかしいところはないもよう。


全体の様子。
製造から40-50年経過していると思いますが、なかなか綺麗です。
モジュール化された実装で、メンテナンスもし易い構造です。
シャーシのアルミもイリダイト処理されていて、綺麗な状態です。
さすが時代を超えて愛用される機器は作りが違います。


ちょっと写真上部のコンデンサが気になります。
場合によっては交換が必要かも知れません。
410Cの構造はメンテナンスし易いように基板のうち二枚は
プラグイン式になっています。



プラグイン式基板の入るソケット部分の様子。

メーターも側板の合計4つのビスを取り、配線を二つ外すことで、
簡単に取り外しすることが可能な構造になっています。

コリンズ同様、水洗いするためにメーターを外した状態。

あとは、コリンズ同様、エレクトリック・クリーナーで洗浄のあと、
お風呂場で水洗い。ケースやパネルの汚れも綺麗に落ちました。


水洗いした後の乾燥の様子。乾燥を一週間ほど行います。

校正・動作確認
410Cのマニュアルは下記URLより入手。(軍用テクニカル・マニュアル)
使用法、メンテアンンス、校正に重宝します。

Click to HP 410C Manual

メンテナンスは第5章に詳しい記述があります。

調整・校正は5-8ページから。関連項目は次のとおり
5-28 CHOPPER FREQUENCY ADJUST
5-29 Power Supply Adjustment
5-30 DC Zero Adjustment and Bias
5-31 DC Amplifier Output Adjust
5-32 Full Scale DC Adjustment
5-33 OHMS ADJUST
5-34 AC ZERO ADJUST
5-35 AC FULL SCALE ADJUST (5V RANGE)


チョッパー周波数の調整(100HZ +/- 2Hzに調整する)


AC/DCの調整用ボリューム群


RFプローブその他。
オークションで出てくる410CはRFプローブが付属してない場合もあり、注意が必要。

DC測定用のプローブはテスター用を利用した。(内部に1MΩ抵抗)


復活!
DC電源を使用し、DCVの校正している様子。