米国ナショナル社PWダイヤル復活なるか?
真空管式短波ラジオの製作

1930年代から軍用無線機として広く使用された米国ナショナル社のHRO-5の有名なPWダイヤルとダイヤル・メカを
入手ました。この貴重なPWダイアルを眺めているだけでは勿体無いということでラジオを作りました。
このPWダイヤルの時代に合わせて、昔ながらの短波ラヂオを作ってみようというのがこのラヂオ(別名:
目玉の親父ラヂオ)です。
ラジオの性能よりはPWダイヤルを復活させることと、中学生・高校生の頃に苦労して製作した0−V−2を目指します。


注:「目玉の親父ラヂオ」はJP2MYJ坂口さんの命名です。
by JG1XLV J.Arai

これが有名なHROのPWダイヤルとギアメカです。
今回のラヂオの製作は
このダイヤルから始まりました。



このPWダイヤルは70年経った今、
果たして蘇るのでしょうか?

<PWダイヤルについて:その1>


PWダイヤルは、ツマミの付いた外側と数字の
刻まれた内側とが、ギアの歯数の異なるギアに
よって噛み合わされ、回転した時、内側と外側とが
ずれるその差により、内側の数字が外側の枠中に
次々と表示される仕組みになっています。




<PWダイヤルについて:その2>

 この内側のギアが噛み合う点は当然のことながら
一点ですから、ギアの片方はオフセンターでなければ
ならず、このオフセンター・シャフトがウォームギアと
一体となっているため、一組で使用する以外は
相当の工夫が必要となるわけです。


PWダイヤル説明の出典:
ラジオライフ別冊
魅惑の軍用無線機 第一巻
三才ブックス発行(昭和59年11月15日発刊)

入手したギアメカを洗浄、グリスアップしましたが
それでもダイヤルタッチが重くBFでした。
そこで手持ちのダブルギアのギアダイヤルを
取り付けることにしました。

先の説明のようにオフセンターの内側の数字板を
回すオフセンター・シャフトは使用します。
写真のギアダイヤル・シャフトはPWダイヤルの
シャフトと径が合わないため、アルミパイプを
かぶせています。HROのオフセンター・シャフト
は取り付け位置、角度を正しく合わせないと
ダイヤルが0から500までうまく回転しないため
注意と工夫が必要です。
上の写真はオフセンター・シャフトとギアダイヤル
メカをエポキシで取り付けた状態。

結果はとてもFBで、ギアダイヤルの軽いタッチにて
PWダイヤルが気持ちよく回るようになりました。
これでPWダイヤルがうまく蘇りました。

右の写真はシャーシーに取り付けたギアダイヤル
メカです。
別の角度から。

ちなみにシャーシーとパネルによるケースですが
サイズはコリンズSラインのキャビネットに合わせて
作っています。

また、注意する点はPWダイヤルを0-500まで
回転させてもギアダイヤルが180度回らない
場合もありますので、現物合わせになるでしょう。

ギアダイヤルが180度回りきらない場合は
バリコンの変化容量が減ることになります。
使用する真空管

検波段にはメタルチューブ:6AC7
オーディオアンプには6AU6+6SN7
(3極管プッシュプル)

しかし、6AC7が残念ながら不具合で急遽
6BA6の検波に計画変更しました。