机の上のランプ

ADXA(秋田DXクラブ)30周年記念誌 JA1AEA鈴木 肇氏の寄稿文より掲載

JA1AEA鈴木 肇氏およびADXAより当HPへの掲載許可をいただいております。


 月刊ファイブナイン誌2003年5月号表紙に真空管式電気スタンドの写真がありました。
この電気スタンドの参考となったJA1AEA鈴木氏がWから入手されたオリジナルのランプの紹介です。


机の上のランプ

JA1AEA 鈴木 肇


私の小さい飾り書棚の端に、奇妙な形の電気スタンドが置いてある。
小さいシェードの中に20ワットの電球が付いているところまでは、当たり前のスタンドなのだが、笠の下が何か変なのだ。
客は『変ったスタンドですね』ならまだしも、『ぶっ飛びそうで何だかヤバイ感じ』『これ、ゲリラの特殊爆弾じゃないの』とか、無責任な事を言う。

それは細長い形をしたガラス電球なのだが、そのガラス、やけに透明度が良い。
ガラスの中には灰色をした電極とおぼしき金属が二つ、ちょうど釣鐘が並んだように、てっぺんからぶら下がっていて、釣鐘の下には釣鐘と触れないような狭い間隔で、同じ灰色をした金属が、ガラスの底から伸びた太い針金で下から支えられている。
電球の底には金属製の袴が取り付けられていて、その袴は全体がすっぽり入る様にできた円筒状の金具に収まっている。 このソケットとおぼしき金具は、厚手の丸い瀬戸物の上にくっ付けられているのだが、何でもこの瀬戸物は専門家の間で『すてあたいと』とか呼ばれているもので、中の灰色の金属は『たんたる』とか言う金属らしい。
これとは別に、同じ様な瀬戸物で出来た二本の丸棒が、厚手のウォールナット板の上に取り付けられていて、さっきの丸い厚手の瀬戸物はこの上にネジ止めされている。
そしてそのそのやたらと透明度の良いガラス電球の表面には、鮮やかな紅色の文字が盛り上がるように印刷されていて、こう読める。
                                                       EIMAC 2-150D

ジャーン!
これが先年私が秋田に行ったときに、大友さん(JA7ZF)が3次会の最後まで食い下がってせしめようとしたが遂に果たせなかった、電気スタンドなのだ。

大友さんにゃ悪いが、これは2001年のデイトン・ハムベンションの帰りに、立ち寄ったフェニックスで、某無線機修理商会の社長のオフィスに飾ってあったものを偶然見つけ、私が言わば強引にかっぱらってきた、珍にして品なるもの。
そうそうやたらにゃ渡せないよ、なんである。
話ばっかりじゃどんなものかサッパリ分らない、と言うのは何もガマの油の向上だけじゃない。 ・・・という訳で、今回ADXA記念誌に今回は写真付きで紹介する次第。

その内・・・とオバケは出た事ないらしいが・・・オークションにでも出そうかな。