JG1XLVの部屋
1971年夏

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短波ラジオの思い出
 JA1IGRさんのシャックには八重洲無線のFT−DX100(現在のコンパクトトランシーバーではなくて、ブラックパネルの終段以外はオールトランジスタのリグ)とFR/FL−100ライン、そして自作の短波ラジオ(アルミパネルに分度器が貼ってあった)がありました。
 そのどれもが憧れの欲しい機械でしたが、中学生には手の出ないほど遠いものでした。
家にあったラジオと言えば中波と短波の2バンドのトランジスタ・ラジオのみ。
操作するツマミはスイッチ付きAFボリューム、バンド切替スイッチ、それとチューニングツマミ。
ダイヤルは横行糸かけダイヤルで、イメージ的には次のような感じで、ダイヤルを少し回すと数10KHzも周波数が変わってしまうようなラジオで、当然SSBには対応していません。(AMのみ)


図1:当時の2バンド・ラジオのダイヤルのイメージ図


このラジオで7メガ付近にダイヤルを合わせると”モガモガ”と何を言ってるのか分かりませんがハムバンドでのQSOが受信できました。しかし、ダイヤルから手を離すと、すぐに周波数が変わってしまうほどのラジオです。当時の無線雑誌にはこのようなAMラジオでSSBを聞くためのBFOアダプター(455KHzのキャリアーを発振させ、ループ状の結合用リンクを本体のラジオに巻きつけてSSBを受信するもの)などの製作記事もありました。
私にはそのようなSSBアダプターを製作する技術もありませんでしたので、当面はハムバンド
のSSB受信は諦め、短波帯で行われていた海外の日本語放送(BCL)の受信に移っていったのも当然の成り行きだったのかも知れません。

とりあえず、2バンド短波ラジオのホイップアンテナに電線を巻きつけたアンテナで短波放送を聞くことになりました。
(中学一年の夏ころ)