18MHz 5el Yagi Stack : 5 over 5


2008年5月に18MHz5エレ八木を上げ、18メガを楽しみしました。それから一年、18メガ・アンテナのグレードアップを計画し、
18メガ5エレスタックを実現することとしました。しかし、そのスタック化実現にあたり、次の課題を解決しなければなりませんでした。
課題1:スタック化した八木の下側のアンテナをどのように設置するか?(構造的課題とコストメリット)
課題2:上下、二つの八木のマッチング方法
課題3:スタック八木の設計
課題4:作業手順

表幅:533

5 over 5
18MHz 5 EL YAGI Stack

課題1:スタック化の構造検討
上図のようにタワー固定だと、一番重視したいW方向と角度が合わない。
しかし、スタック化の実験としては非常にシンプル構造でBetter。

構造決定の最終化少し前のアイディア。
高価なリングローテーターを使わずとも、タワー途中でアンテナを回せそうな
可能性が見えてきました。

足場パイプを利用したタワー途中へのアンテナ取付アイディア

採用案
タワーユニット一段分の上下の水平ブレス部分に二本の腕木(足場パイプ)を出し、
垂直に3m足場パイプを直交クランプで接続。垂直に設置したパイプ先端に
ローテーターを取付け。


上図の下に伸びている足場パイプはアンテナ調整用に考案したもので
この位置にマストを取付けることで、屋根上での作業が可能となるFBなアイディア


設計図の一部。下側アンテナの回転角の様子が分かり易い

実際に1/100サイズに縮小したモデルを作成し、構造や回転角の検証を行った。
当初の目標どおりタワー途中に取付けたアンテナで約120度の回転角が得られる。


写真をクリックするとビデオが見られます。


課題2:スタック・アンテナのマッチング
アンテナの 「シングル⇔スタック」  選択を
インピーダンスを乱すことなく切り替える方法です。 全て同軸ケーブルを使います。

A・Bを切り離す方法として、電気長1/4λの50Ωケーブルを使用。
1/4λ電気長の同軸先端をショートすると、給電側から見ると無負荷状態になることを利用する。
⇒参考 http://www.ji0vwl.com/yaa3.html

スタックかシングルかは・・・
シングルの場合は50Ω伝送路ですから50同軸は任意長でOKです。
(ただし、今回は位相合せを考慮し、1/2λ電気長とした)

一方スタックの場合は、A・B切り離し回路は50Ω系ですから、スタック化
”2”の方法を使います。
⇒参考 http://www.ji0vwl.com/q2.html


また、上記マッチング回路はフェイル・セーフの考え方を取り入れて
リレーへのDC12V電源が入らない時に、上側シングル八木に
必ず接続されるようにした。


マッチング切替BOXの全容
この切替BOXからスタックのAアンテナ(上側)、Bアンテナ(下側)へ
T型コネクターを通してつながる。
これで1KWも十分な設計です。

マッチング切替器の電源およびコントロール用コネクター
ダイオードスイッチのダイオードが二つ見える(回路図参照)

Aアンテナ(上側)およびBアンテナのリレー基盤。
1/4λ電気長の同軸ケーブルの先端をこのリレーでショートさせると
アンテナ側はインピーダンス無限大で切り離される仕組み。
その時、アンテナ側に50Ωの抵抗を入れアースしています。

課題3:スタック八木の設計
スタック間隔は1/2波長としました。約8.5m
アンテナ設計はMMANA-GALを使用。

スタックアンテナのシュミレーション途中の様子

威風堂々!
18メガ5エレ八木スタックの雄姿

5エレスタック八木の遠景


スタック・アンテナ用の二つのローテーター・コントローラーのセッティング
FT-1000の一段上が、下側のローテーターとシングル/スタック切替スイッチ

その上が、スタック上のアンテナ用。


タワー近くに製作・設置した中継BOX。
シャックとタワー上のローテーターコントロール、スタック切替ケーブル等を
中継している。



中継BOX内部の様子。
写真左上:タワー・エレベーター用ブレーカ付電源スイッチ。
中央ハーモニカ端子(上側部分) :ローテーターコンロール用7芯ケーブル
中央ハーモニカ端子(下側部分):シングル/スタック切替ケーブル

HF帯用同軸ケーブルも当BOX内で、中継コネクタで中継させていることで、
MFJ等のアナライザで特性を確認する作業を容易にしている。